【歯科医師が教える!!】10年後に差が出る!!効果的な歯周病予防

こんにちは。
南の街歯科クリニック歯科医師の鈴木です。
前回は歯周病の発生についてお話しさせていただきました。
今回は歯周病予防に有効なクリーニングなど、より効果的な歯周病対策についお話ししようと思います。

歯周病の予防・治療について

歯周病の原因はプラークと歯石です。
プラークは、みがき残しが基になり虫歯菌や歯周病菌が住み着いたネバネバしたよごれの塊です。
歯石は、この状態を放置することで唾液に含まれるカルシウムやリン酸塩などのミネラル分で石灰化し、文字通り石のように硬くなったもののことを指します。
こうなるとご自身で取るのは難しくなってしまいます。
このためプラークの時に確実に取り除くには、毎日しっかりとした歯磨きをすることがとても大切です。

適切な歯ブラシの選び方

次に歯周病予防に効果的なご自身にあった歯ブラシの選び方をご紹介します。

毛足は真っ直ぐで毛束は 3~4 列ぐらいのものが清掃しやすいでしょう。
また、通気性のよいものがお勧めです。
健康な人は歯ブラシの硬さは普通、歯ぐきに炎症がある場合は柔かめのものが良いでしょう。
歯茎に炎症があるかどうかは歯ブラシの時に歯茎にブラシを当てたり、フロスを通した時に出血があるかどうかが一つの基準となります。
歯ブラシの大きさは歯ブラシの頭が人差し指の第一関節までの大きさのものを選んでいただけると、それぞれに合った大きさと言われています。

みがき方

歯のみがき方の基本は、一歯ずつ丁寧にみがく事です。
でも、歯並びや被せ物によってご自分に適したみがき方が異なります。
歯科医師・歯科衛生士に指導してもらい、ご自身に適した歯みがきの仕方を習得することが大切です。
ここでは、歯周病予防に有効で基本となるバス法を紹介します。

バス法

歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に向けて45°の角度にあて、軽い力で小きざみに振動させます。
歯ブラシの毛先を歯茎に差し込むイメージです。
但し歯茎を傷つけてしまう恐れがあるので力を入れれ過ぎないように注意して下さい。
10から15往復したら歯ブラシを横にスライドさせ、隣の歯を引き続き磨いていきます。
最初は難しいので、鏡を見ながら歯茎に歯ブラシが差し込まれているのを確認して頂くことをお勧めします。

生活習慣の改善

歯周病は生活習慣病の一つです。
毎日の積み重ねが歯周病の進行に影響を及ぼします。
歯周病に影響を与える生活習慣についてご紹介します。

喫煙

タバコの煙の中には、数多くの有害物質が含まれています。
タールはヤニが歯に付着し、さらにその上にプラークが付着しやすくなります。
一酸化炭素やニコチンは、歯周病菌に対する抵抗力を低下させるとともに、歯ぐきの腫れを隠したり、傷口を治りにくくするために、歯周病を重篤化させます。
そのために、歯周病の治療に際しては禁煙が必要となります。

食生活

ビタミン豊富な食べ物や野菜、果物をとり、栄養のバランスのとれた食事を心がけましょう。
バランスの良い食生活は体の免疫機能をアップさせます。

ストレスの解消

日常生活でのストレス解消のため、運動などを試みたりして、リラックスすることも大切です。
ストレスは免疫力を低下させ、歯周病菌と戦う~体力を低下させてしまいます。

歯周病の治療

歯周病やむし歯の原因のプラークを歯から取り除くことは治療を的確に進めるために、とても大切なことです。
そのためにはまず、普段ご自身で的確な歯みがきを行って頂くことが大切です。
まずは歯科医院でブラッシング指導を受けましょう。
また、どんなに歯ブラシを頑張っても歯周ポケットの深い場所の汚れや歯の隙間に入り込んだ汚れはご自身ではどうしても取り除くことが出来ません。
そこで、歯科医院でクリーニングを定期的に受けることでお口の歯周病菌の数をコントロールすることがとても大切です。
次にクリニックで行うクリーニングについてご紹介します。

歯石の除去

歯石はプラークが固まったものです。
その表面にはまたプラークが溜まるので、きれいに取り除く必要があります。
取り除く際には、手用または超音波を利用したスケーラーというものを使用します。
また、歯石の付いていた歯の表面には細菌からの毒素がしみこんでいたり、表面に溝ができたりしていますので、それを除去してきれいな歯の表面を作ることをルートプレーニングと呼びます。
これは手用のスケーラーを使用して行います。

かみ合わせの調整

歯のかみあわせが原因で歯周病を悪化させていることがあります。
この場合、歯の安静を保つために、歯の一部を削って、歯と歯のかみ合わせの状態の調整を行うことがあります。

以上の治療でも、歯石がポケットの深いところに入り込んでいて除去できず、治っていない場合には歯肉を切って直接除去するなど、外科的治療を行うことがあります。

歯周病治療が終わっても、治療が完全に終わったわけではありません。
定期的に歯の周りの組織のチェックを受けることが必要となります。
歯周病は再発しやすいので、毎日の的確な歯磨きと規則正しい生活習慣が出来ているかどうか、再発がないか、定期的に歯医者さんでチェックを受けて下さい。

その他ご不明な点やご質問がありましたらお気軽にご相談ください。minaminomachisikakurinikku