【歯科衛生士が教える!】なかなか聞けない!歯医者さんでのレントゲン撮影と放射線量

皆さんは歯医者さんでレントゲン撮影をされたことはありますか?

虫歯や根の治療を行う前後や歯周病の進行度合いを調べるために、歯科医院では度々レントゲン撮影を行います。

近年では、放射線の被爆量はクローズアップされ、心配される方も多いかと思います。

皆さんのご不安を解消するためにも、今回は歯科衛生士杉田さんに歯科治療に用いるレントゲン撮影法と放射線量についてお話して頂きます。

レントゲン撮影の役割

歯科医院で受ける検査のひとつに、レントゲン検査があります。
歯科診療におけるレントゲン検査の役割は大きく、虫歯や歯周疾患などの進行を診断し治療方針を決めるために、レントゲン検査が大変重宝します。
また、治療後の経過を診るためや、歯科疾患を予防する上でもレントゲン検査は大変役に立っているんです。

レントゲン検査の種類と目的

当院のレントゲン検査は、以下の4つの方法があります。

パノラマレントゲン検査

上下の歯列、それを支える顎の骨、顎関節、その他の病変など広範囲が写る撮影法です。
初診時や2年おきに撮影し、お口全体の状態を把握して治療計画を立てたり、骨の状態をチェックして歯周病の進行を把握することに有用な撮影法です。

デンタルレントゲン検査

歯を一本一本観察するための小さい範囲に限定した撮影法です。
パノラマ写真より、細部の正確な再現性があります。
虫歯や神経の治療をする時に、より精密な情報を得るために用いる撮影法です。

セファロレントゲン検査

頭部の形態、骨格の長さ、角度、位置関係などを観察できる撮影法です。
矯正治療の検査時に主に用いられます。

CT検査

三次元的な撮影で、人体を薄く輪切りにした画像(断層像)を観察できる撮影法です。
インプラント治療や親知らずの抜歯の検査をする時に、神経の位置や骨密度を計測したりインプラント埋入の位置決めをする時に大変有用な撮影法です。

上記の①~④の撮影法はいずれも、患者様の治療に必要な時に、Drが治療の目的に応じて必要な撮影法を選択し、、患者様の同意を得た上で行います。
その上で撮影後に、患者様の状況を説明いたします。

レントゲン検査の安全性

鉛の入った防護エプロンを着て、撮影部位以外を守って撮影しています。
そのため、放射線は必要最低限の範囲に限定して照射され、余分な放射線は鉛のエプロンに吸収されます。
また、年間の線量限度は1ミリシーベルトですが、デンタルレントゲン検査は1枚、約0.01ミリシーベルトです。
パノラマX線撮影は約0.03ミリシーベルトと、極めて低い値で撮影可能です。
また、撮影の回数や頻度は最小限度に努めて行っています。

妊産婦さんの場合は防護エプロンでをお腹を守り撮影します。
妊娠中の方は妊娠している旨をお伝えください。
(シーベルト︰人が浴びた被曝線量)

当院では安全性に配慮しながら、適切な治療を行うためにレントゲン検査を行っています。
レントゲン検査に抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、安全性にしっかり配慮して行えば、レントゲン撮影は精密な治療を行うために大変有用で、Drや患者様の強い味方でもあります。

ご不安のある方には詳細なご説明も欠かさず行ってまいります。御不明な点、ご質問等ございましたら遠慮なくお気軽にご相談下さい。