こんにちは。
南の街歯科クリニック歯科医師の石井です。
少し前になりますが、歌手の堀ちえみさんが舌癌を公表して話題になりましたね。
南の街歯科クリニックにも、その後舌癌を心配された患者様が多数来院されました。
南の街歯科クリニックでは、横浜保土ヶ谷中央病院元部長で口腔外科専門医の築丸寛先生に口腔外科担当として週に1回診療にいらして頂いています。
(診察日は月曜日もしくは金曜の午後です。お電話にてご確認下さい。)
今回は、築丸先生にインタビューさせて頂き、お口周りの粘膜疾患について解説したいと思います。
お口の粘膜にできる疾患の種類
今回お口によくできる代表的な疾患を3つご紹介します。
1 ウィルス性の疾患
ウィルス感染によって引き起こされます。
代表的なものにヘルペスが挙げられます。
唇やお口の中の粘膜に発疹が多数できます。
痛みを伴う事が少なくなく、また場合によっては発熱などを伴う事もあります。
抗ウィルス薬を投与して、痛みや発熱には対処療法で治療します。
2 腫瘍
良性と悪性に分類されます。
良性の腫瘍の代表としては粘液種が挙げられます。
これは唾液などの粘液が何らかの原因で分泌できなくなり、腫瘍になったものです。
舌や唇などに水膨れのようなものができます。
気にならなければ治療しなくても大丈夫ですが、口を動かしにくいなど弊害がある場合は切除します。
次に悪性腫瘍の代表では癌が挙げられます。
舌、頬、歯肉などあらゆるところに癌は発生します。
出来やすい場所としては、舌の脇が多いと言われています。
癌は進行ステージや発生した場所によって治療法は異なります。
3 炎症性の疾患
扁平苔癬が代表的です。
慢性的な刺激やウィルス感染などによって口の粘膜が赤く炎症を起こすと言われています。
痛みや痒みを伴う事が多いです。
治療法はステロイド塗布や原因に対してアプローチしていきます。
また、扁平苔癬は時間と共に癌化してしまう事もあるので、治癒した後も経過を追って定期的に検診する事が重要です。
こんな症状がある方は1度歯医者さんで診てもらいましょう
ウィルス性の疾患や炎症は痛みなどの自覚症状があるため、初期の段階で歯医者さんに行かれる方が多いかと思います。
しかし、悪性腫瘍は初期の段階では重篤な自覚症状がない事もあります。
お口の粘膜に、次のような症状がある方は念のため1度歯医者さんで検診する事をオススメします。
1 二週間以上口内炎が治らない
2 粘膜が赤い、白い もしくは赤と白が混ざっている
3 口内炎にしこりのような部分がある
4 痛みのない口内炎がある
5 繰り返し口内炎ができる
6入れ歯や歯の補綴物が粘膜に当たって繰り返し口内炎ができるところがある
癌の可能性が疑われる場合は、専門の病院をご紹介します。
癌と間違えやすい通常の組織も存在します
お口の中には癌と間違いやすい、もともと生理的に存在する正常に発達した組織があります。
私の経験でも、舌やお口の粘膜の組織を悪い腫瘍ではないかと患者様が心配されて来院され、正常な組織だった事もよくあります。
しかし、歯科クリニックでチェックしてもらって、実際安心して頂く事ができるのであれば来院頂く事には意味があります。
患者様の思い違いであっても全く問題はありません。
むしろ、もし万が一悪いものだった時に手遅れになってしまう事の方が問題です。
入れ歯や歯の詰め物、被せ物で度々口内炎ができる場合は必ず治療しましょう
入れ歯や歯の詰め物、被せ物が粘膜に当たって、炎症や口内炎を度々起こす場合は必ず治療して下さい。
稀ではありますが、刺激によって悪性化してしまう場合があります。
1年に1度は定期検診を受けましょう
南の街歯科クリニックでは1年に1度はお口の粘膜の定期検診を受けられる事をオススメしています。 お口の中の癌は増加傾向にあります。
安心して毎日を健康に過ごして頂くために定期検診は大変重要です。
お口のクリーニングと一緒に検診は受けて頂けます。
その他ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。